出産とは下から産むことだ。
そうでなければ、お産にあらず。
世間では帝王切開は楽だという認識がまかり通っているようですね。
なんでそんなイメージになってるのか分かりませんが、お産に楽なんてありません。
産んでない外野がゴチャゴチャ言うせいでママが赤ちゃんに対して申し訳なく思うのはおかしいと思いませんか?
普通分娩と帝王切開。
どちらも経験した私は帝王切開も立派なお産だと思ったのでその理由を説明したいと思います。
そもそも帝王切開は楽なのか?
楽っていうのはつまり、痛くないっていう意味だと思うんです。
帝王切開は普通に痛いですよね?
おそらくですが、陣痛を経験せずに帝王切開をする人に対してずるいという思いから楽だと言っているのだと思います。
陣痛は私が人生で感じた中でダントツに痛かったです。
これだけ痛くても人間は死なないんだと驚くぐらいの痛さでした。
この痛みを経験せずに出産できたらどれだけ楽か。
死を意識させられるくらいの痛みではありますが、言葉で説明するとわりと軽く聞こえませんか?
私の表現力の無さも問題ですが、究極のところをこれは経験した人同士でしか分かり合えない痛みだと思うのです。
そもそも痛みというのがかなり主観的なものなので、説明で伝わるかというと難しいところがあります。
陣痛を経験した人からすると、大抵の人は陣痛の痛みが人生で最大級だったのではないかと思います。
北斗晶さんが人生で痛かったことをランキングにしているのを見たのですが、職業柄、一般人よりも痛みを感じることの多い環境だったにもかかわらず、陣痛は人生で2位の痛みでした。
驚くべきことに、バイクに轢かれたり、頭にクワが刺さったり、怪我でひざの骨が見えたりしたことよりも、陣痛が痛かったそうです。
(ちなみに1位は手術のため頭蓋骨に穴を開けた時でした)
痛みに慣れている方がトップ3に入れるほどの痛みを、普通分娩で出産した女性は経験しているのです。
陣痛が来る前に帝王切開をした人には陣痛の痛みは一生わからない。
言葉ではなんとなく理解できても、経験することは絶対にできない。
そこをついただけの、ただのマウントです。
自分の方が痛かったとまるで不幸自慢のようなマウントを取る事になんの意味があるのかよく分かりませんが、なんて浅くて愚かな考えなのだろうと思います。
他のママの出産の思い出や心を傷つける意図はわかりたくもないですね。
帝王切開は手術です
医学が発達した現代においても出産は未だに危険なことです。
死のリスクももちろんあります。
帝王切開はそれとは別に手術による後遺症や死のリスクがあります。
普通に健康で手術する必要がないのにお腹をかっさばくわけです。
色々なリスクを承知で赤ちゃんの安全を守るために手術をするわけです。
知り合いが入院して手術したと聞いたらは心配してお見舞いに行ったりするのに、なぜ帝王切開の時は楽に産めてよかったねになるのでしょう?
出産や手術をした人に対して何か言うとしたら、お疲れ様でした、だけじゃないですかね。
下から産む方が偉いのか?
下から産むのって普通に人間の体として出すルートがあるじゃないですか。
そこから出せるのはある意味当たり前だと思うんですよね。
本来出す場所じゃないところを切りつけて開いて出す方が凄いことだと思います。
そもそも出産を神格化しすぎだと思うんですよね。
確かにすごいことです。
奇跡に近い。
だからこそ医療の介入を嫌う人もいる。
だけど、自然な形にこだわるよりも命を守る安全な方法があるならそっちの方がよっぽど良いと思います。
普通分娩では何か危険があるからこその帝王切開です。
手術を選ぶことは間違いではありません。
出産方法に優劣なんてないと思います。
どちらも経験して思ったこと
ありがたいことに、私の周りの人は普通分娩と帝王切開を比べるような人はいませんでした。
でも実際に帝王切開を下に見ている人がいるのは事実です。
私も普通分娩を経験していなければ赤ちゃんに対して申し訳ない気持ちを抱いていたかもしれません。
だけど、どちらも経験してわかったことがあります。
普通分娩も帝王切開も何も変わりません。
痛みの種類は違ってもトータルで同じぐらいの痛みがありますし、生まれてきた赤ちゃんに対しての愛情も一緒です。
可愛いなと思う気持ちに違いはありません。
強いて言うなら帝王切開は私自身が頑張った気はしなかった。
これが大きいのではないのでしょうか。
陣痛の痛みに耐えて自分でいきんで出すのと違って、帝王切開では先生達が頑張って赤ちゃんを取り出してくれたという感覚です。
少々あっけない終わりを迎えてしまったような、最後の最後に手柄を取られてしまったような感じ。
普通分娩と比べると、やりきった感じがあまりなかったかなと思うのです。
誰かに楽だねと言われた時に言い返せなかったり赤ちゃんに申し訳なく思う原因はここにあるのではないかと思うのです。
だけど、出産は産む瞬間が全てではありません。
妊娠した瞬間から10ヶ月間お腹の中で大事に大事に育ててきました。
そしてこれから先、何十年と赤ちゃんに物事を教え、見守り共に生きていかなければなりません。
産むのなんて一瞬で、産み方なんてささいなことです。
これから長い人生を生きていくこの赤ちゃんにとって大事なのは、普通分娩か帝王切開かではありません。
外野の声は無視してください。
赤ちゃん自身が大きくなって帝王切開が嫌だったともし言われたら、その時に悩みましょう。
この帝王切開に文句を言っていい人がいるとしたら、当事者である赤ちゃんとママだけだからです。
でも、赤ちゃんの命を守りたいと思って選んだ帝王切開がお産として間違いだったはずがありません。
今、腕の中に元気に生きている赤ちゃんがいることが、その証明になります。
だから帝王切開を恥じる必要は全くない。
すべてのママに、私は赤ちゃんの命を守ったのだと胸を張って生きてほしいです。
以上、山岡エビでした。
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