今回の妊娠では切迫流産、切迫早産になりました。
自宅安静になったのでかなり早い時期から産休に入らせてもらい、ゆっくり過ごしたおかげで安静後の妊婦健診はずっと順調でした。
そんな私の2人目の出産レポートです。
切迫流産になった経緯は下のリンクから読めます。↓
出産当日の妊婦健診
1週間前の健診の時点で子宮口が3センチ開いていて、NSTというお腹の張りや赤ちゃんの心拍をみる装置をつけた検査でも定期的なお腹の張りもありました。
この張りがそのまま陣痛に繋がることもあるので、先生の予想では、今日の妊婦健診を待たずに出産を迎えているだろうとのことでした。
そう、本当はもう生まれているはずだったのです。
しかし、待てど暮らせど陣痛が来ない。
上の子の時には37週で出産したのですが、もう39週目に入りました。
とは言っても予定日までまだ日がありますし、今回は切迫早産だったのでずっと家でゆっくり過ごしていたから陣痛がつかないのかなと楽観的に考えていました。
いつもと違って異様に時間のかかるNST
NSTはお腹に装置をつけてベッドで寝転がっているだけですが、大抵20分から40分かかります。
赤ちゃんが起きているときの様子を確認するために、検査中に眠っている場合は時間が長くかかります。
いつもはすんなり終わるNSTなのですが、この日は何度も助産師さんが訪ねてきました。
装置を付け直したり、お腹の赤ちゃんを刺激するための振動を与える装置をお腹に当てたり、私の眠る向きを変えたりといつもと違っていました。
気になったのでNSTの機械に表示される数字を見ていたのですが、どうやら定期的なお腹の張りが来ていないようでした。
結局この日は40分間みっちりNSTをしていましたが、最後には助産師さんではなく先生が登場しました。
今までNST中に先生が来たことはなかったので一気に不安な気持ちになります。
先生はNSTから出て来た記録用紙をじっと見つめながら先にエコーをしようかと言いました。
もしかするとNSTの機械のエラーかもしれないけどと前置きをしてから先生が何を見ていたか教えてくれました。
ほんの少しだけ赤ちゃんの心拍が落ちるタイミングがあるそうで、それが出産の時に危険なものなのかがこの検査だけでは判断がつかないそう。
なのでエコーでもう少し詳しく見たいとのことでした。
その時、ふと病院に向かう時の違和感を思い出しました。
産婦人科では診察の前に必ず尿検査をしますよね。
この日、私は少し尿意を我慢していたので、赤ちゃんが動いて膀胱に攻撃してきたら嫌だなぁと思っていました。
ですが産婦人科までの15分ぐらいの車内で赤ちゃんが一度も動かなかったのです。
今までそんなことはあまりなく
、よく動く方だったので、今日は運が良かったな、ラッキーぐらいの気持ちでした。
でもそれは赤ちゃんに異常があって動かないだけだったのかも。
また、思い返すとこの1週間、強くお腹が張った記憶がないのです。
先週までは強い張りが何度かあった記憶があるのですが……。
しかし、NSTで赤ちゃんの心拍は確認されているので今お腹の中で赤ちゃんが亡くなっている訳ではありません。
じゃあなんだろう?
生きてはいるけど、きっとあまり良くないことが起こっている。
ただただ怖くて落ち着きませんでした。
エコー検査
先生がエコーをみてる間にも赤ちゃんの心拍が落ちるタイミングが何度もあったようです。
原因はすぐにわかりました。
首にへその緒が何重にも巻きついているようでした。
へその緒が首に巻き付いていても、出産することは可能です。
でも、まだ本格的な陣痛が起きていないのに心拍が下がっている様子では普通分娩をするのはかなり危険だそうです。
赤ちゃんに酸素が送られず、最悪死産になります。
赤ちゃんをできるだけ無事に産もうと思うなら、お腹を切るしかありません。
帝王切開です。
帝王切開はママにとっては感染症や死亡リスクが伴いますが、赤ちゃんは無事に産むことができる可能性がとても高いのだそうです。
もしかしたら赤ちゃんは助からないのではないかと恐怖を感じていた私にとって、帝王切開なら赤ちゃんの命が守れるというのは喜びしかありませんでした。
そして、帝王切開ならもうすぐ赤ちゃんに会える。
この産婦人科は極力自然なお産を推奨しているので、帝王切開することはほとんどありません。
普通分娩より帝王切開の方はリスクが高いと判断しているからです。
それでも先生が帝王切開をすすめるということは、今回の場合、普通分娩を選択すると赤ちゃんがかなり危険だからです。
後になって冷静に考えると、今までの人生で手術なんてしたことがなかったので、普通に怖いですよね。
だけど、赤ちゃんが死なずにすむということでテンションが上がってしまっていた私は何の迷いもなく帝王切開を選びました。
本来は、もう少しきちんとリスクを考えたうえで選択した方がいいと思います。
そうと決まれば、陣痛がくる前に素早く手術を行わなければいけなかったので、2時間後に緊急帝王切開の手術をすることが決まりました。
帝王切開の準備
主人の職場は産婦人科から近かったので電話してすぐに来てもらいました。
書類の署名や手術の説明があったのでなるべく早く来てもらう必要があったからです。
書類に目を通しながら、手術の準備です。
- 下着を脱いで、病院着に着替える
- メイクを落とす
- 手術の同意書にサインをする
- 着圧ソックスをはく
- 点滴をする
- 導尿するためのカテーテルを入れる
手術室の準備が整うまで、私は陣痛室で待っていました。
メイクを落とすのは、手術中異変がないか、顔色を見るためだそうです。
着替えが終わったら点滴が始まります。
この点滴は手術後も続きます。
手術後は動くことができないので、トイレに行くこともできません。
なので尿道にカテーテルを入れる導尿が始まります。
手術前の麻酔を入れてから導尿する病院もあるそうですが、うちは手術室の準備を待っている間にすませてしまいました。
強い痛みではありません。
鈍い痛みと鋭い痛みがどちらもある、なんとも言えない嫌な感じの痛みがありました。
点滴の針を刺す痛みよりはマシな痛さです。
痛さについて詳しくは普通分娩と帝王切開を経験した私が感じた妊娠出産の痛みランキングをご覧下さい
カテーテルを入れる時「ファー」と声を出すように言われました。
力が抜けて入れやすくなり、痛みもましになるそうです。
もしも尿管わカテーテルを入れなければならなくなった時に試してみてください。
着圧ソックスを履くのは手術後寝たきりになるので、血栓が出来て詰まってしまうのを防ぐためだそうです。
俗に言う、エコノミークラス症候群ですね。
帝王切開の流れ
手術室までは歩いて行きました。
なんとなく車椅子やベッドごと移動されることを想像していたので『あっ、普通に歩いていくんだ』と思いました。
手術台の上に乗ると病院着を脱がされました。
点滴が冷えているからだと思うのですが、病院着を脱ぐと凍えるほど寒かったです。
これは普通のことのようで、あらかじめ電気毛布も用意されていました。
横になり、体を丸めるように言われました。
背中に麻酔を刺すためですお腹がだいぶ大きいので、まるまるのは大変ですが、背中を突き出さなければいけないらしく、少し時間がかかりました。
麻酔の針が刺さる痛みはそこまで気になるほどのものではありませんでした。
腕に刺す点滴の方が若干痛かったような、その程度の痛みです。
麻酔が効いているかを確かめるために冷たい何か(たぶん消毒用のアルコール綿かな?)を当てられてその冷たさを感じるかどうか尋ねられました。
下半身から上半身に向かってどんどん感覚がなくなっていきました。
冷たさの感覚がなくなった頃に手術が始まりました。
冷たさは分からなくなりますが、触られてる感覚はあります。
お腹のところにはカーテンがあるので手術の様子は全く見えませんが、痛みは無くても引っ張られたり内臓を触られている感覚はあるのでとても不思議な感じでした。
手術が始まって十分程度で赤ちゃんは取り出されました。
やっぱり首にへその緒が巻いていたようで、先生が「1回2回3回4回5回。うわ~5回も巻いてる」とテンションが上がってました。
5回も巻いている赤ちゃんを見たのは初めてだったそうで、先生は術後に助産師さんたちにお話したそうです。
おかげで病室にくる助産師さんとの話題に困らずちょっとした有名人気分を味あわせてもらいました。
取り上げられた赤ちゃんはすぐに小児科の先生に診てもらい、何の問題もないと太鼓判おしてもらいました。
ちなみに小児科の先生は普段は産婦人科にいないようなのですが、この日はたまたま1ヶ月検診のために小児科の先生がいる日だったそうです。
帝王切開の手術は1時間ほどで終わると聞いていましたが、赤ちゃんを取り出すまでの時間は10分程で、私のお腹を閉じるまでの処置がほとんどを占めました。
本来、帝王切開は前日から絶飲絶食をします。
私の場合は、まさか手術をするなんて思っていませんから、朝食もしっかり食べていました。
腸内に食べ物が残っていたので、腹膜を触られているときかなり気持ち悪かったです。
吐きそうでしたが、これはよくあることだそうですぐに吐き止めを点滴に追加してくれました。
数十秒待つと嘘のように吐き気がなくなり、薬ってすごいなと思いました。
うちの病院では赤ちゃんを取り出した後は麻酔で眠らせることもしてくれているそうです。
私の場合は緊急手術なので急変する可能性があり眠らせることはできないと手術中に説明されました。
先生、手術中めっちゃしゃべっていました。
普通に雑談レベルの会話もバンバンを私に話しかけてくるので手術の概念が変わりました。
もっと緊迫感があるものだと想像していたので、こんな和やかなものなんだと驚きました。
赤ちゃんはというと、首にへその緒が巻いていたことが影響してかなり首が長かったようで、小児科の先生が驚いていたそうです。
首の長さは生まれて数時間後には落ち着いていましたので心配いりませんでした。
しかしへその緒が巻いていた影響で、少し栄養がまわりにくかったのか頭に比べて体は細かったようです。
エコーでは頭の大きさで体重を想定しますが、エコーの時点で2700ちょっとと言われていた体重は実際2500ちょっとでした。
しかし39週で体の作りにも問題はなく、体重も2500を超えていたので、NICUに入ることはなく一緒に過ごすことができました。
というわけで生まれるまでのレポートはここまで!
産んだ後、入院中のこともまとめたので↓下のリンクからどうぞ。

まとめ
思い返せば妊娠7週目で職場で大量出血し切迫流産の診断をされました。
そこから1ヶ月、自宅安静をした後、また職場に復帰し、今度は子宮けいかんが短くなって切迫早産と診断されました。
予定より2ヶ月ほど早く産休に入り最後は緊急帝王切開。
1人目の時には何の問題もなかったので、油断していましたが、本当に妊娠出産は何が起こるかわかりません。
どこかで何かが違っていたら、赤ちゃんはここにいなかったかもしれません。
とても運が良かったんだよ、と出産後たくさんの助産師さんや先生に言われました。
現在、赤ちゃんはとても元気に育っています。
無事に出産を終え、赤ちゃんがここにいることに感謝したいと思います。
以上、山岡エビでした。
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